SSTR2013参戦記(後編)

  • 投稿日:
  • by
  • カテゴリ:

残り時間3時間半、最短最速コースで走り続けても間に合わないのでは? いやいや考えていても仕方がない走り出さなければゴールには着かないのだ。気を取り直して長野岐阜県境の長峰峠に向かって再スタートを切った。今回のツーリングではこの開田高原のゆるやかなアップダウンが白眉だった。朝方悩まされた雨は上がり柔らかく射しこむ日に色づきかけた樹々が映える。あと少し時間があれば言うことなしだったのに、この時ばかりは日没ゴールのSSTRルールが恨めしかった。のんびりと写真を撮りながら走るのは諦め目の前の景色を精一杯記憶するにとどめた。

峠を越え高山に向かって下っていく途中に道の駅飛騨たかね工房があった。高山から先は高速を使うので岐阜県のスタンプを押しに立ち寄った。ここにもSSTR参加のライダーがいて「いやー、時間やばいですよねー」と言いながら先に出発したら途中の道で華麗にぶち抜かれてしまった。ZX-14Rのタンデムかっこいいね。ゼッケン314のお二人にはその後富山の高速上でもう一度ぶち抜かれるというおまけが付いた^_^;

高山ICからは三度高速の人となって清見から東海北陸道に入り北へ。白川郷も五箇山も次の楽しみに取っておく。最早はっきりと西に傾き出した太陽を追いかけて小矢部砺波JCT、対面通行から片側2車線の北陸道に入ってさらにペースを上げトンネルを抜けて遂に石川県に到達した。金沢森本ICからバイパスでのと里山海道につないで日本海が見えたらあと少し。ここで欲が出て石川県のスタンプを押しに道の駅高松にタッチアンドゴーを試みた。同じことを考える人はいるものでこの日没間際の時間帯に結構な台数のバイクが止まっていた。ヘルメットもとらずにダッシュでスタンプを押し今浜ICでのと里山海道を離れていよいよなぎさドライブウェイだ。

さらさらしている様子はない。思い切って砂浜にバイクを乗り入れると普通に走れる。もちろんフラットといっても細かく波打っているので何となくぬるぬるとした走り心地だが滑るということは全くなかった。何より素晴らしかったのは左手に広がる海だ。波打ち際とまったく同じ高さを走っているというのは他の何処にもない非常に不思議な感覚だった。ここ千里浜とフロリダのデイトナビーチ、ニュージーランド北島のワイタレレビーチの世界で三ヶ所だけが車で走れるのだそうだ。

砂上の走りにも慣れ、ずいぶん走ったようだがゴールらしきものはまだ見えない。最後の直線は6km程、この速度で走れば間に合うはずと計算しつつもじわりとペースを上げる。彼方に投光器らしき灯が見えてきた。あそこまで走ればゴールに違いない。誘導してくれる人がいる。同じ方向に走るライダーがいる。旗を振って歓迎してくれる人がいる。拍手で迎えてくれる人がいる。赤い支柱の立派なゲートが見えた。もう大丈夫、間に合った。ペースを落としてゆっくりと最後の数十mを進む。左手を上げてゲートで迎えてくれた風間さんとハイタッチしてゴール。暁埠頭公園を出発して11時間と5分、走行527kmで無事完走することができた。

IMG_1240b.jpgフィニッシャーズバッジとTシャツを受けとり、おにぎりと貝汁のもてなしを受けてゆるゆると緊張がほどけていく。夕暮れの砂浜に100台を超えるバイクが集まった様は実に壮観だった。その後はホテルに場所を移してガーデンパーティーで表彰式。手作り感あふれる運営と地元の方々の歓迎になごみつつ夜はふけていった。第二回はもう少し日の長い5月下旬。必ず千里浜に帰ってくる。